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一言法話:第三十七話

執筆者の写真: 密寺 満願密寺 満願

今年で令和ももう七年になります。

歳のせいか滅茶苦茶早く迎えた感じをうけます。

仕事柄歳の数え方を「数え年」で考えます。

その為、元旦を迎えると一歳歳を取ります。

先代を晩年病院に連れて行った際問診で年齢の確認があったのですが、先代は数え年で答えてしまうので質問をされた看護師さんは「うん?」となられました。

そこで私が代わりに答えると「ご本人さんに答えてもらいます」と言われた事を思いだします。

そんな事を思い出していると他の事のエピソードも出てきます。

私が幼少の頃は携帯電話などなく家の固定電話だけでした。

ある時電話が鳴って私が出たら私が存じている数少ない檀家さんからで「お父様いらっしゃいますか?」と聞かれました。

私が父に「電話よ」と言うと「どちらさん?」と聞かれたので「〇〇さん、靴屋の」と言うと「靴屋と言うんじゃない。履物屋さんと言え」と言われたのをよく覚えています。

時が流れ私自身がこのエピソードの時の先代の歳を過ぎている現在、言葉でちょくちょく気になる事があります。

先日偶々見ていたテレビ番組に倉本聰さんが出演しておられ、その中で「書かれた脚本を演者が筋の通った様に演じてくれたら文句言わないけど似ていても使い方が違う言葉は許さず訂正させます。」とおしゃられていました。

例えば久しぶりに再会する親子の場面で親が「よう」と言わないといけないところを「やぁ」と言ったので訂正させた。

「親子の再会で「やぁ」はおかしいいでしょ?」

と倉本先生はおしゃっていたのを聞いて、「正に」と思いました。

いつも年始は観音堂にて参拝の方の対応しております。

その時何度か古いお焚き上げする物をもってきた人が私に尋ねます。

「この古いやつ、捨てるの何処ですか?」と私は冷静に「あそこ」ですと答えますが心の中では「捨てる」が引っ掛かります。

以前から同じ事を聞かれてましたが、一昔前は「こちらは何処に御返ししたら宜しいでしょうか?」と聞かれていましたが、今年に限っては百パーセント「捨てる」と言われました。

つい出た言葉でしょうが、ついは本音なので残念です。

言葉大切にしようと思わされる年始でした。




 
 
 

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