今年の春は思いの外早く来たように感じます。
春はお寺としては宗派関係無く供養法要シーズンです。
まだまだコロナ禍の影響もあり当山でも縮小で勤修いたしました。
そんな中でも御呼び頂いて助法(他のお寺のお手伝いにうかがうこと)に出仕しました。
年によりますが、多い少ないあれ一年を通して供養しない年はございません。
人それぞれに人生が有る様に、人生の終わり方も色々有ります。
朗らかに人生を終える方。
突然で何も考えられず訪れる方。
まだ終わりたくないと願いながら逝く方。
それぞれだとお話をお伺いして学ぶことばかりです。
先日こんな話をラジオで聴きました。
アメリカ人でエンターテインメントをプロデュースするチャールズ・フローマンさんと言う方が居られました。
この方は西暦1904年に演劇として初めて「ピーターパン」をプロデュースされた方です。
沢山のブロードウェイで作品を成功され、富を得られます。
そして1915年豪華客船ルシタニア号に乗船されます。
当時は第一次世界大戦中でした。
アイルランド沖でドイツ軍の潜水艦の攻撃を受け、沈没してしまいます。
この船には多くのアメリカ人も乗船しており、これがきっかけでアメリカが参戦することになります。
攻撃を受けて沈みゆく船中でチャールズさんは、奥様に最後の別れを言い仲間を集めました。
その中には幼い子供もいて、恐怖に怯えていたそうです。
そんな子供を見てチャールズさんは優しい口調で「なんで死を恐れているのだい?死は人生でいちばん美しい冒険じゃないか。」となだめたそうです。
この世界にいる人が誰も経験したことのない死。
しかし、必ず経験する死。
いろいろな方の最後を見聞きする者として、また死に苦しんでいる方に対して少しでも重荷を取ってあげる事が出来たら良いなと感じました。
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